僕等の、赤。


 「あ、ご、ごめんなさい。……フフフ。ごめんなさいごめんなさい。……フフフ。笑ってませんから。……フフフフフ。怒らないで。殺さないでください。あの、今日はお金を強奪に来たのでしょうかね? ここは地方の事務所なので、会計関係は全部東京の本社でやってるんですよ。ここにあるのは数万円の小口現金だけなんですよ」

 頑張って取り繕っているのに、どうしても口の端から空気が漏れてしまう。

 「普通に笑ってるやん。つか、殺さないしお金が欲しいわけでもない。何言ってるんですか、さっきから」

 「じゃあ、目的は何なんですか?」

 「最初に言ったじゃん。俺の代わりにシナリオを書いて欲しいって‼」

 そして話はふりだしへ。