俺が言うと裕人が
「どうしたんだ?」
と聞いてきたので、
「本に血がついていたんだ。」
「最初は飛び散った血がついたと思ったんだけど、よくよく考えてみればおかしいんだよ。
・・・説明するの難しいからついてきて。」
~移動中~
むせかえるような血の臭いに吐き気がした。
遺体はすでにかたずけていてない。
俺は、問題の本を取り出し、血を指差した。
「ここにべったりついている血のことで、見つけたときは、本人が持っていたんだけど、これ、血が表紙と背表紙にしかついてないんだ。つまり、人狼を殴ってついた血だと思うんだ。」
俺が説明すると、智子が、
「先輩、それは玲央くんの血がついただけじゃないですか?」