先生と準備室 後編

「もしもーし。あ、凌久。
佳奈ちゃん?知らないよ」

犬山さんみたいにまた私を庇ってくれる。

「うん。ほんとだよ。なんで嘘言わなきゃ
いけないわけ。ん?あぁ、分かった。」

駿さんは嘘がうまかった。

電話越しだけど

凌久の声が微かに聞こえて。

その声は息が荒れてて、

多分走ってるんだろう。必死だった。

「嘘ついちゃった。俺、嘘うまいから
あいつは俺の言葉信じたね。」

微かに笑いながら駿さんは電話を切った。