「じゃあ、そろそろ……」
「……?」
いきなり瑞希くんは立ち上がって
私に手を伸ばす。
私はその瑞希くんの手をそっととって
椅子から立ち上がる。
「……デート行こっか」
「……は…い?」
私は瑞希くんにグッと手を引かれると、
そのまま勢いで走り出す。
「……ちょ……み…ずきくん……っ!?」
「……ははっ!」
瑞希は慌てる私を見て
楽しそうに笑う。
そんな瑞希くんに
私も思わず笑ってしまう。
私は出逢ったばっかりの瑞希くんの
ペースに流されている
それでも。
流されていても。
なんだかこの人の前では
自分が素でいられる気がして。
ーーーーー嘘をつかないでいいみたいで。
振りほどくことも出来たこの腕を
握りしめて、走った
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