そのうちの一人はペールブロンドの髪を持つ、美しい女の子、ジェニファー・トーリン。

 透き通る金髪のストレートロングヘアーが風になびけば、男は振り返らずにはいられない。

 ガラスのようなブルーの目にすっきりとした鼻、マシュマロのようなやわらかな唇、モデル並のスタイル、まさに理想のままに作られた人形のようにそれは完璧な姿だった。

 誰もが学校一の美人と認め、ベアトリスにとっても憧れの人である。

 そしてその人物が、大親友としていつも自分の側にいるから、驚きだった。

 ジェニファーはベアトリスに常に優しく、いつも気遣ってくれる。

 そんな彼女が側に居てコンプレックスを感じないと言えば嘘になるが、反対にジェニファーと友達になれたことは自慢の種でもあった。
 
 ジェニファーは学校一クールな女性。

 クールといわれる人と付き合うことは、ステイタスを感じさせてくれ、優越感に繋がった。
 

 そしてもう一人が、女生徒の憧れであり高校の王子様的存在、ヴィンセント・バトラー。

 いつまでも見つめていたい、神が作り上げた整った顔を持ち、蜂蜜色の少しウエーブかかった柔らかい髪をくしゃっと無造作にかきあげるだけで、女の子達はその仕草に釘漬けになる。

 こちらも学校一ハンサムと謳われる肩書きを持つ。

 一緒にいられるだけで幸運そのものだった。