コールは首を左右にふり、大きく伸びをして、ベッドからゆっくりと立ち上がった。
蝋燭の火の明かりの中に照らされる見知らぬ男。
黒い塊に見え、目だけがギラリと光りベアトリスを捉えている。
さらに床に転がっていたポールの体を邪魔だと容赦なく蹴飛ばした。
ベアトリスの高鳴る心臓は体から発する危険信号。
これほどの恐怖を味わったことがないほどに震え上がった。
無意識に後ずさるが、壁にぶつかるともう逃げ道がないことを思い知らされ戦慄が走った。
「まだ少ししびれるが、やっと動けるようになった。ベアトリス待たしたな」
「あなたは誰?」
「姿が変わるとやはり判らないものか。ヴィンセントもリチャードもすっかり騙されたくらいだもんな。俺はコールさ。さっきまでポールの体に居たけどな。これが俺の本当の姿だ」
「どういうこと?」
ベアトリスが床に転がってるポールの姿を見たとき、彼はちょうど意識を取り戻し上半身が起き上がった。
辺りを見回し、状況を把握すると慌てて立ち上がり突然悲鳴をあげた。
「折角俺が雰囲気変えて一目置かれるようにしてやったのに、これじゃ元の木阿弥か」
コールが睨みを利かすと、更にポールは怯え上がった。
「コール、いい加減にしてやりなよ。さっきまでその体だったんだから、愛着とかないのかい? 私も全く関係ないっていいきれないからね。あんた結構いい体してたよ」
マーサが薄ら笑いを浮かべてポールに近づき、そっと胸元を指で撫ぜた。
ポールは自分の体を見ては、腹や胸を触り、そして腕を曲げて筋肉が盛り上がることに驚いていた。
「痩せてる…… 一体、僕はどうなったんですか。なぜタキシードを着ているんでしょう」
ポールはキョトンとしてコールを見つめた。
「どうだ、その体気に入ったか。お前は生まれ変わったんだよ。どうでもいいから俺の目の前から消えてくれ。それとも殺されたいか」
「あっ、いえ、出て行きます」
ポールは一目散にドアに向かって、逃げていった。
蝋燭の火の明かりの中に照らされる見知らぬ男。
黒い塊に見え、目だけがギラリと光りベアトリスを捉えている。
さらに床に転がっていたポールの体を邪魔だと容赦なく蹴飛ばした。
ベアトリスの高鳴る心臓は体から発する危険信号。
これほどの恐怖を味わったことがないほどに震え上がった。
無意識に後ずさるが、壁にぶつかるともう逃げ道がないことを思い知らされ戦慄が走った。
「まだ少ししびれるが、やっと動けるようになった。ベアトリス待たしたな」
「あなたは誰?」
「姿が変わるとやはり判らないものか。ヴィンセントもリチャードもすっかり騙されたくらいだもんな。俺はコールさ。さっきまでポールの体に居たけどな。これが俺の本当の姿だ」
「どういうこと?」
ベアトリスが床に転がってるポールの姿を見たとき、彼はちょうど意識を取り戻し上半身が起き上がった。
辺りを見回し、状況を把握すると慌てて立ち上がり突然悲鳴をあげた。
「折角俺が雰囲気変えて一目置かれるようにしてやったのに、これじゃ元の木阿弥か」
コールが睨みを利かすと、更にポールは怯え上がった。
「コール、いい加減にしてやりなよ。さっきまでその体だったんだから、愛着とかないのかい? 私も全く関係ないっていいきれないからね。あんた結構いい体してたよ」
マーサが薄ら笑いを浮かべてポールに近づき、そっと胸元を指で撫ぜた。
ポールは自分の体を見ては、腹や胸を触り、そして腕を曲げて筋肉が盛り上がることに驚いていた。
「痩せてる…… 一体、僕はどうなったんですか。なぜタキシードを着ているんでしょう」
ポールはキョトンとしてコールを見つめた。
「どうだ、その体気に入ったか。お前は生まれ変わったんだよ。どうでもいいから俺の目の前から消えてくれ。それとも殺されたいか」
「あっ、いえ、出て行きます」
ポールは一目散にドアに向かって、逃げていった。