午後からの授業は、眠気が伴う。

 特にこの日の最終授業は、精神共に疲れがいつもよりもひどかった。

 うとうとする眠気との戦い。

 現実と夢の狭間にいるようで、何が現実に起こった事なのかあやふやになってくる。

 誰にも打ち明けられず、話したところで自分の味方になってくれるような人もいない。

 一人で抱え込んで、もやもやしていた。

  ベアトリスは片手を頬につきながら、前日とこの日起きたことについて頭の中で巡らせていた。

 ノートの端に黒い影を落書きし、あの時見た恐ろしい形相の野獣は一体何だったのかはっきりしたくて仕方がなかった。

 まさか、あれがヴィンセント……

 あまりにも唐突な結論過ぎて、即座に否定してしまう。

 それじゃやっぱり夢? 

 ベアトリスは自分が見たものに自信がもてなかった。

 夢と思った方が全ての筋が通る。

 考えれば考えるほど頭は混乱していた。

 精神異常をきたす一歩手前は、きっとこういう状態なのかもしれない。

 そう考えると、最後は自分を守りたいがために、夢ということで片付けたくなってきた。

 夢、夢、そう悪夢。

 それで終わり!

 その時、授業の終わりを知らせるベルがなり響いた。