朝が来ると、憂鬱さが一層増し、学校に行きたくない気持ちが現れ、起きられずに、ベッドの中でぐずぐずとしてしまう日が多くなった。

 何もかも普通に暮らしていた日々が今となっては懐かしい。

 ジェニファーの親友と思われ、ヴィンセントとも友達として仲がよかったあの頃のことを思う。

 ヴィンセントを好きになればなるほど苦しく、そして最悪の状態になっていく。

 親友を失い、ヴィンセントともすれ違い、そして自分は一人ぼっち。

 学校という場所が針のムシロとなり、苦しみしか味わえなくなった。

 少しでも苦痛を回避したいがために、ヴィンセントとは目を合さないようにしてしまう。

 改善しようと立ち向かう気持ちなど全くなかった。

 かつて思いを強く胸に抱いて頑張ろうとしていた気持ちは、ヴィンセントを見ると意気消沈し、そういう気持ちを持ったことを後悔する程、彼と向き合えなくなっていた。

 それならきっかけを作らないことにこしたことはない。

 ベアトリスは傷つくのを恐れて前を向いて進むことをやめてしまった。