それでも気づかないふりをしたのは、ハルを独り占めしたかったから。 この時だけは私を見てくれる。 私だけのハルなんだって、思えたから。 ……そうまでしないと、私はハルに触れられないから。 「っ…、ハル…」 全てがおかしくなりそうだった。 頭の中はもう真っ白で、熱くて、溶けそうで。