「っは…、んんっ…」 いつものキスとは違って、深くて、苦しい。 頬を撫でるハルの手を感じる余裕すらないのに、可笑しくなってしまいそうで怖くなる。 「待ってっ、ハル…っ」 「ダメ、煽ったのは菜乃でしょ」 嘘ばっかり。 私が気づいてないとでも思ったの? ハルはいつもそうだった。 いつも起きているくせに、まるで私の何かを試すみたいにいつも寝たふりをしてる。 でもそれは、分かりやすいものだった。 だから、それに気づかないふりをしていた私も嘘つきなんだ。