いつも通り玄関を開けて、真っ先にハルの部屋に向かう。 ハルの家だから当然ハルの匂いがする。 この匂いを嗅ぐだけで、胸がキュッと締め付けられる。 ドアを開けるとハルは寝ている。 無駄に整った顔が心地よさそうに寝息を立ててる。 「ハル、起きて」 ベットに少し体重をかけたせいで、静かな部屋に軋んだ音が響いた。