「……あの先輩とはもう寝たの?」
わざと耳元で囁いて、首筋に吸い付いた。
返事をする余裕なんてない私は、首を振るしかできなかった。
「へぇ…。じゃあ、こんなになってる菜乃はまだ知らないんだね」
そんなセリフどうしていえるんだろう。
聞いているこっちまでも恥ずかしくなるのに。
「でも、悔しいね。初めての菜乃は俺がもらうって決めてたのに」
ハルの手が背中に回ってきたと気づいた時には、胸の締め付けがなくなっていた。
「…こんな菜乃を知っているのは俺だけでいいのに」
そういえば初めてハルとの日に違うって答えたんだ。
あの時は困らせたくなくてそんなことを言った。


