走ってきたのか息が切れていた。 いつものように冷静で、クールな彼ではなかった。 「菜乃」 そう呼ばれただけなのに、息が苦しくなった。 まるで呼吸の仕方を忘れたような感覚。 どうして?なんで今? いろんなことが一気に押しよせてきて私から思考を奪っていった。 「……ハル」