「菜乃」


ただそれだけなのに、ハルを求めてしまいそうな自分に必死に歯止めをかける。


名前を呼ばれただけ。


それだけのことなんだ。


きっとハルもわかってる。そうすれば、私が拒めないことを。


だから、いとも簡単に触れて、私の全部を奪っていく。


「学校にいくから…」