鬱陶しいと思うのに、傍にいて欲しい。突き放して欲しいと思うのに、失いたくない。
 どうしてこんなにもあの人は私を掻き乱すの…?


 グラウンドの歓声がやけに遠い。

 先生のいるグラウンドが、遠い。


「痛いです…足」

 私はぐいと涙を拭った。

        *   *   *