夏色の初恋を君にあげる



窓の外は、いつの間にか雨がやんでいた。

曇天の空を見上げながら、背伸びをして鍵に手を伸ばす。と、その時。



「あーあ。雨やんじゃった」



そんな声とともに、後ろから伸びてきた手が、私の手よりも先に鍵に届いた。


「……っ」


はっとして目の前の窓を見れば、由良くんが私の背後に立ち、私を囲うように窓の鍵を閉めていた。

不意を突くような距離の縮まりに、心臓が跳ね上がる。


「あ、ありがとう……」


「どういたしまして。ねー、凛子さん」


不意に、窓に反射する由良くんが、私の首元にぐいっと顔を寄せるのが見えた。

窓越しに――実際に今私の身に起こっているその光景から目がそらせなくなって――。