*HIKARI*

そして、その場を退出し


ひとりになり、震える両手を見る

「光…」


自分を守る為に人を殺め震えていた光を思い出した


剣術を習っていた
人斬りは、初めて
父兄が幕府に追われている
大きな屋敷に置いていかれ
兄は、自分に似ている


知っていることを並べれば
たったこれだけだった



会いたい



酷いことをされていないと確認したい



会いたい





会いたい







光… 光に… 会いたい










こんなふうに人恋しく思うのは、初めてだった
ましてや、それが女子

こんな気持ちになることは
沖田自身、想像していなかった