帰る宣言をして先輩ー、


湊翔先輩は歩き出した。


「先輩の名前、初めて知りました。」


「あ?
そうだっけ?」


そういうとこにこだわりは無いらしい。


「あ、私はー、」


「桃井音緒、でしょ?」


「な、なんで名前っ」


私はすっかり驚いていた。


マンションのドアに苗字すらかいていないのに。


湊翔先輩はどうして知ってるんだろう。


「昨日、俺もお前のこと気になって
名前は確認してあったから。」


「そ、そうなんですか…。」


ん?
気になって??


「あの、先輩、気になって、というのは?」


「別に、そのまんまの意味だけど。」


ということは
私が想像している意味でいいということ?


え!待って?!