「こりゃダメだ。」


「だ、だめって??」


「この辺、人身事故多いんだよ。
昼までかかる時もあるし。
諦めて帰ろうぜ。」


人身事故多いって
ここ怖すぎません?


「あ、その前に学校に連絡しなきゃ!」


登校日初日でこれはなんの仕打ちですかぁ。


プルルッ、プルルル………。


『はい、こちら◇〇高校です。』


「あ、もしもし!
十組の桃井です。
電車が人身事故で復旧の目処がたたないみたいで。」


『わかりました。
欠席ということにしときますね。』


「ちょ、貸して。」


そう言って先輩は私の携帯を取り上げた。


「二年五組の川栄湊翔。
同じく電車で欠席です。
失礼します。」


そう言って一方的に電話を切った。


そしてこっちを向いて、


「じゃ、帰るか。」