「梓、“人のもの”ってお前のじゃないだろ?如月ちゃん、借人競走俺を連れてってね?」





莉玖くんの目を間近で見てわかった。

なぜ私を好くのか。

なぜ梓くんと対立してまで私を求めるのか。

彼は私を……










誰かと照らし合わせている。

彼からの視線は私をすきでの視線ではない。





「莉玖くん、誰を見てるの……?」

「っ...!だ、誰って、か...如月ちゃんだよ」

「莉玖、お前まさか……」