黒王子に恋をして。

ま、いいか


昨日アイロンをかけておいたYシャツに腕を通し、ネクタイを締め、適当に着崩す。

そして黒に近い紺色のブレザーを羽織る。





「茜、俺行けるぞ」

「梓〜、ゆきちゃん迎えに行くのに髪型決まんねぇよ(泣)」





茜は泣きながら俺に助けを求める。





「ワックス貸せ。……何だこのワックス」

「それ去年教室で拾ったやつ。いい匂いだからぱくった」

「俺の貸すわ」





自分の部屋からワックスを持ってくる。

ちなみに俺のはちゃんとした高いもの。