電話越しに茜くんが笑っている声が聞こえる。





《...まだ瑠奈に冷たかったか。気をつける》

「いや、あ、ごめんなさい、そんなつもりはなかったの」





謝る私に、素直に言ってくれた方が助かると言う梓くん。

声色はあれだけど、やることはとても優しい。





《それじゃあそろそろ寝るわ。腹出して寝るなよ。ちゃんと体温めてな》

「ありがとう。おやすみ」

《おう》


ピッ





まだ梓くんの声が耳に残っている。

鏡を見ると耳まで赤くなっていた。


な、なななんで……!?








この時の私にはなぜ赤くなっていたかまだ分からなかった。