黒王子に恋をして。

そうぶっきらぼうに言って梓くんは先にスタスタと歩いていった。

そして話題は再び体育祭へ。





「俺、今年応援団やろっかなー。最後にパフォーマンスやるし、長ラン着てみたいんだよね〜」

「俺は短ランがいい」





あれ、梓くんもしかして意外に応援団やる気かな?





「瑠奈は何出たい?」

「私はーまた借人競走にしよっかな。あれ楽なんだよね」





そう言うと梓くんの足がビダッと止まる。

梓くんは私の前を歩いていたため、危うくぶつかりそうになった。





「借人競走いいけど……連れてくの俺だけな」





それだけ言ってまた歩き始めた。