「瑠奈、そろそろ帰らなきゃ咲帆(サホ)さんに怒られるよ」

「もう5時だったんだ」





体をゆっくり起こして立ち上がる。

ゆきと保健室を出ると茜くんがいた。

もちろん梓くんも。

藤咲くんは...どうやら居ないみたい。





「瑠奈、腹まだ痛いか?腰は?」

「さっきよりは全然平気だよ」





『よかった』


そう呟いて私は梓くんの腕の中に包まれた。


梓くんとのハグは嫌いじゃない。

むしろ好きだ。


そう思う自分に毎回ビックリする。





「それじゃ、帰ろっか」





そう笑顔で言うゆきにつられて、私も笑顔で頷いた。