ゆきがそう言うと藤咲くんは私を見たあと梓くんを睨みつけて出ていった。

梓くんは動く気配がない。





「はぁー。五十嵐、私に任せて。なんかあったら連絡するから」

「わかった」





私の涙を吹いたあとに梓くんは出ていった。





「ゆき、ありがと」

「ここまでよく我慢したね。五十嵐使えなさすぎ」





と、ゆきが梓くんが出ていったあとの扉を見つめながら言った。

梓くんのあの表情が私の頭に残っている。


ちょっと悪いことしたかな……


なんて思いながら私は痛みに耐えていた。