「本当にこんなことしてねぇから」

「なぜなら梓は瑠奈ちゃんにほ...なんでもない」





俺が睨みつけると茜は黙り込んだ。


ちっ、余計なこと言おうとしやがって。


茜なんかどうでも良くて俺は瑠奈に触れたくてしょうがない。

その気持ちが強すぎていつの間にか瑠奈に声をかけていた。






「瑠奈、手」

「手??」





意味がわからないようで少し首を傾げながら手を差し出してくる。

その仕草もまた可愛い。

差し出された手を握ると瑠奈は手を引っ込めた。

俺がもう一度『手を出せ』と言って自分の手も出すと、ゆっくりと俺の手の上に重ねてきた。

線が細く長い指は少し冷たい。

手を握るとピクッとは反応したが、さっきみたいに引っ込めはしなかった。