《短距離走の選手は、本部前に集まってください。》





「おい梓、お前短距離だろ」


「……俺じゃない」


「梓くん行って」





私がそう言って手を解くと、寂しそうな目で見つめてくる。


耳としっぽが下がってる。





「ゴ、ゴールのとこで...待ってるから」


「おうっ」




私がそう言うと、梓くんは喜んでしっぽを振って行った。