黒王子に恋をして。

顔をムッとさせる梓くん。


あ、私にもなんかしっぽが見えてきた。

なんなら耳まで。





「梓くん」

「……ん」





私が名前を呼ぶだけでパタパタと尻尾を振っているように見える。





「離れないから。大丈夫だよ」

「……」





無言で梓くんは私にはギューッとくっついてくる。

そしてはぁとため息をついた。