とりあえず危険はないようだ。

シンはロンと一緒に家に入ってみる。

リビングには誰もいない。

奥の部屋、寝室に入る。


「え…、女の子?」


部屋に入ると、シンのベッドには怪我を負った女の子が寝ていた。


「シン、

この領域に入れるのは俺達に危害を加えないものか、

ここに入れるだけの力の持ち主だけだ。

…俺が見たところこの子に力はないようだが、どうする。」


シンはロンの見解に同意すると、女の子を見る。

相当な傷を負っている。

血はここの魔力のおかげで止まっているが、このまま放っておけば死ぬだろう。

シンは女の子に清潔魔法を施し、回復魔法で傷を癒した。


「俺もこの子は大丈夫だと思うけど念の為、

レンはリンと一緒に下に入っていた方がいいだろうな。」


「あぁ、そうだな。」


「よし、じゃあある程度決まったことだし食事の準備するか。」


「…ねぇロン、大丈夫なの?」


リンがなかなか出てこないシン達を心配して、家を覗き込む。


「あぁ、大丈夫だ。

だが念の為お前達は下に行ってなさい。

安全とわかったら呼ぶ。」


「分かったわ。気をつけてね。

ほら、レンこっちよ。」


「はぁーい。

あ、シン兄ちゃん、僕夜ご飯親子丼がいいな!」


「分かった。

作るから大人しくリンの言うこと聞いておくんだぞ。」


「はぁーい!」


リンとレンは下の部屋に入っていった。