シンはすぐ行動に移した。

ファミリアの元へ行く。

しかしファミリアは王女だ。

取り合ってくれないかもしれない。

でもこの気持ちを伝えたい。

伝えても何も変わらないかもしれない。

でもこのままここにいたらもっと変わらない。

俺は、ファミリアの隣にいたい。

シンは身支度を終え周りを見ると外は明るくなっていた。

そろそろ行くかと外に出る。

するとそこには、


「ロン、リン、レン、カミーユ。

皆なんで…」


「俺は王と酒でも飲もうとな。」


「久々に外に買い物をと思ってね。」


「僕友達作る!」


「一年中暖かい所があると聞いてな。」


皆口々に理由を言っていく。


「皆…。」


「シン…一人で行くなんて、言うなよ?

俺達は、血は繋がっていなくとも、家族だ。」


ロンがシンに笑いかける。


「えぇ?!血が繋がってないの?!」


皆一斉に声の主、レンの方へ向く。


「…わしら形が違うじゃろ?」


「・・・。

はっ!ほんとだ!気にしたことなかったよ!

だって父ちゃんは父ちゃんだし!

お母さんはお母さんだし!

シン兄ちゃんはシン兄ちゃんだし!

カミーユ兄ちゃんはカミーユ兄ちゃんだし!

皆家族だし!」


「レン…、ふ、ふふ、ふははははは!

そうだな、そうだ!家族だ!俺ら皆…家族だ!」


皆笑った。

こんなにも種族は違うのに。

でも、皆本当に家族だ。

こんなにも心を通わせ、助け合い、信頼し合い、愛し合っている。

これが家族と言わずしてなんと呼ぶ。


「ここに居る皆、皆家族だ。

そしてファミリアも、俺は家族だと思ってる!」


『当たり前だ(わ)(よ)(じゃ)!』


「皆、行こう!

ファミリアの元へ!」