「……えっ、一度だけの願い、って……?」

思考が全く追いついてない私に、レオくんが「そうだよ」と、にっこりと笑ったまま頷く。

「……だから、僕とこれから夏の恋をしよう?」

「えっ? 夏の恋って!?」

息つく暇さえないような怒涛の展開に、まるで頭が回らなくなってるところへ、

「だって亜子さん、それがしたかったんでしょ?」

いきなり名前で呼ばれて、もはや胸のドキドキ感がピークに達する。

(…そ、そうだよね、ウチに一緒に住んでたんだから、名前ぐらい知ってて当然なんだけど、

でも、こんなにもイケメンの口から名前で呼ばれるのとか、私…はっきり言って、全然慣れてないんですけど……)