「いいのいいの。桜音ちゃんと話すの楽しいし、居心地良かったから。もっと仲良くなりたいなって思って、いまこうして連絡先を聞きに来てるわけだし」


爽やかな笑顔を向けてくれる逢坂先輩。
これは夢かな?

わたしは昨日からずっと夢を見ているのかな?


目の前の逢坂先輩をじっと見つめると不思議そうに首を傾げる。



「そんなに見つめてどうしたの?」


夢じゃない。
夢じゃないよ。

赤くなってる顔を隠すように両手で頬を抑える。



「すごい、緊張してしまって……」

「なんで?」

「あぁ……近づかれたらちょっとやばいです……」


わたしに一歩近づく逢坂先輩から距離をとるように一歩後ずさる。

だめだ。
かっこよすぎて失神しそう……。



「なんでー?」


不思議そうにする逢坂先輩はお構いなしにわたしに近づき、壁に追いやられてしまった。

わたしは意識を保つので精いっぱい。