「んじゃ、またね桜音ちゃん」
「はい、また!」
逢坂先輩が爽やかな笑顔で教室を出て行く。
かっこよすぎてため息がもれる。
逢坂先輩にもっともっと近づきたいな。
バイト先、通おう。
「桜音ちゃん」
「はい」
「顔に出すぎ」
「え、わかりますか?」
恥ずかしくて両手で頬を抑える。
隠しているわけでもないけど、気づかれてしまうのは恥ずかしい。
「やっぱりかわいいね」
もう少し顔に出ないようにしたほうがいいよね。
平然だよ、平然。
……あれ?
さっき日向先輩なにか言った?
なんだかすごく優しい瞳をしている。
目が合うとドキッと心臓が高鳴る。
「じゃあね」
日向先輩はわたしの頭を優しく撫でてから教室を出て行った。
いつもわたしの頭を撫でてくれるその手は大きくて優しい。
癖なのかな?
でも、日向先輩だと全く嫌な気にならない。
むしろうれしいし、励ましてもらえてるみたいで元気をもらえる。
これからもがんばって、逢坂先輩の特別な存在に。