菜々子ちゃんは口元を両手で抑えてわたしをうるうるした瞳で見つめてくる。
その瞳にドキッとしてしまう。
菜々子ちゃんは美人でクールなイメージが勝手にあったけど、話してみると少しイメージと違うね。
なんだか明るいというか、とっても話しやすい。
わたし、菜々子ちゃんがすきだ。
そう直感する。
「桜音ちゃんって呼んでいい?」
「わたし勝手に菜々子ちゃんって呼んでるから、菜々子ちゃんもすきに呼んでね」
「桜音ちゃん!」
クールビューティだと思ってた菜々子ちゃんのテンションの高さにわたしまでテンションが上がってくる。
菜々子ちゃんって……、
「かわいいなぁ」
「かわいすぎ!」
わたしの声と菜々子ちゃんの声が重なる。
驚いて目を丸くすると、菜々子ちゃんもわたしと同じような顔をしていた。
そしてふたりで吹き出す。
ハモった。
わたしたちすごいね。