でも、せっかくの日向先輩とのツーショット。
1年以上ぶりの写真。
わたしの顔はひどくだらしないけど、全て保存する。
高校生1発目の制服での写真が日向先輩となんて貴重すぎる。
ドキドキとしながら日向先輩にわたしもさっき撮った写真を送る。
《今日はお会いできてうれしかったです。高校でもよろしくお願いします!》
写真と一緒にメッセージも送り、お気に入りのパンダのスタンプも押した。
すぐに日向先輩から《よろしく!》と書かれたスタンプが返ってくる。
これから高校生活がはじまる。
初日から逢坂先輩に会えて、日向先輩にも会えて、最高のスタートになった。
「桜音ー!帰るなら声かけろよ。探しただろ」
「あ、てっちゃん!」
「ん?なんかいいことでもあった?」
「まあね」
「なになに?」
「秘密」
「なんだよ、それ」
てっちゃんはわたしの気持ちを知らないからね。
これはわたしだけの秘密だよ。
機嫌がいいわたしを不思議そうに見つめていた。
そんなてっちゃんと一緒に高校生初めての寄り道をしてから帰った。