あれはおれが中学3年生のころ。

友達の隆二がいつからか後輩の女の子とよく話すようになった。


その女の子は以前、貧血で倒れた子だった。

肩くらいのふわふわな髪は柔らかそう。
目はぱっちりと大きくて愛らしく、薄めの唇は艶っぽい。


かわいさときれいを掛け合わしたような女の子。



「逢坂先輩」


声は透き通るような透明感があって耳に心地よい高さで、少し照れたように隆二を呼ぶこの子、立川桜音ちゃんがすごくかわいいと思った。

かわいい女の子だなぁって。
キラキラしているなぁって。


気になったんだ。


どうしてこんなに輝いて見てるんだろうって。