バシッ。
「よし!」
いまはバイト中だ。
バイトに集中しなきゃ。
「お前、頬赤いけどどうした?」
「気合い入れなおした」
「そっか。そんでさ、今日も休憩なんだけどさ」
「わかってるって」
この男は野田くん。
同じ学校で隣のクラスらしい。
この海の家のバイトをはじめてから知り合った。
野田くんはチャラい感じで、明るめの茶髪をセットしていつもキメキメ。
顔立ちも日向先輩には負けるけどかっこいいと思う。
そんな野田くんは。
「菜々子ちゃん今日の休憩ね、野田くんがかき氷奢ってくれるんだって。練乳つきの」
「おまっ、それは……」
「ほんと?やった。暑くてやばかったけどがんばれそ」
「お、おう……」
「今日も人多いけどがんばろうね」
ニコニコになった菜々子ちゃん。
昨日かき氷食べたいって言ってたもんね。
「立川……ありがとう!!」