教室まで送ってもらった。
少し心配したような表情もあったけど、笑顔を向けたら日向先輩も笑ってくれた。
「あ、そういえば日向先輩こそ体調は大丈夫なんですか?」
「え、なんで体調?別にどこも悪く……あ」
「先輩もしかして仮病……」
「さっきまで頭痛かったんだけど、桜音ちゃんといたら痛みなんか吹っ飛んだよ。じゃあ、あとでね」
手を振って自分の教室に向かって歩き出した先輩。
サボらせてしまった……。
少しの罪悪感はありつつ、それでもわたしと一緒にいてくれたことがうれしかった。
日向先輩がそばにいてくれたらすごく安心できるから。
「桜音大丈夫か?」
「もう平気なの?」
てっちゃんと菜々子ちゃんが心配して声をかけてくれる。
「あれ?顔赤くない?」
「まだ体調良くないのか?」
「大丈夫だよ」
これは日向先輩のせいだから。
一緒にいてわたしをこんなにドキドキさせるのに、安心できるような心安らぐ気持ちにもさせる人は、きっとこの先も日向先輩だけ。