「桜音ちゃん、明日もバイトまで時間あるからそれまで一緒にいよ」
「はい!」
「じゃあ、また明日ね」
わたしの家の前に着くと頭をそっと撫でてくれる。
日向先輩と付き合い始めて1か月経った。
相変わらず優しくて、毎日幸せすぎて、甘やかしてもらってばかりだ。
日向先輩に手を振ると、笑顔で手を振り返してくれるけど歩き出す気配はない。
わたしが家に入るのを必ず見送るまで一歩も動かない。
バイトもわたしを家までちゃんと送り届けてから行くんだ。
それは付き合ってから知ったことのひとつ。
日向先輩ってけっこう過保護というかなんというか。
大切にしてくれているというのはすごく伝わっている。
だからこそ、わたしも日向先輩を大切にしなきゃいけないって強く思う。
明日も一緒に帰れるの、うれしいな。
日向先輩は人気者で友達もたくさんいるけど、わたしとの時間を優先してくれる。
週3で一緒に帰っている。