そんなのわたしだって同じだ。
いつからこんなに気持ちが大きくなっていたのかわからない。
自分でも気づかなかった。
あふれて初めて気づいたことばかり。
わたしがすきなのは、まぎれもなく日向先輩だ。
こんなに幸せで心がポカポカする。
いままであいていた穴を一瞬で埋めてくれた。
認めた瞬間から、想いはあふれてばかりで止まらない。
「改めて、桜音ちゃん。おれと付き合ってください」
少し上目遣いで、頬を赤く染めた日向先輩がどうしようもなく愛しく感じた。
「はい。よろしくお願いします」
「やった」
わたしの応えを聞いて、小さくガッツポーズをして笑顔を見せる日向先輩。
もう、心臓がおかしくなりそうだよ。
顔の火照りをおさえるように両手で頬を包む。
けど、隠せるわけもおさまるわけもなかった。
「おれ、桜音ちゃんのこと、めちゃくちゃすきだから覚悟しててね」
無邪気に笑う日向先輩に、改めてすきだと実感した。