逢坂(おうさか)さん、卒業おめでとうございます.......うっ.......」

「ははっ、なんでお前がそんなに泣いてるんだよ」

「オレは泣いてないっすけどね」

「お前は泣け、もっと寂しそうにしろ」



卒業式が終わって、クラスでの話も終わったあとに校舎の外に出てきた卒業生。
わたしは逢坂先輩と話したいのに、サッカー部の部員に囲まれていて話しに行けない。

仕方ない。

だってわたしはなにか接点があったわけじゃない。


逢坂先輩と話せるようになったのも本当に偶然だったから。


だから、あの輪の中には入っていけない。

最後なのに話すことができない。


さり気なく、一歩一歩近づいてみている。



チャンスがあればすぐにでも!

そう思って様子を伺う。