きっかけは彼が私を助けたことだった。

入学早々タチの悪い輩に絡まれていたところを彼、、、梨木結友(なしきゆう)が助けてくれたのだ。

私は助けてくれたお礼がしたいと言った。
彼は

「じゃあ、、、友達になってくれる?」

私は彼と友達になった。
しかしこれが大きな誤算だった。




(まさかおねぇとは知らないじゃん、、、)
色々キャバオーバーすぎて長いため息をつく。
「梨律ちゃん、、、大丈夫?」
「ああ、梨木くん、、、別に大丈夫だ」
「あっそうだ!これ朝作ったのよ!甘いもの食べて元気だして?」
(相変わらず話聞かねぇなこのおねぇ、、、)
笑顔でクッキーの袋を渡す梨木。
私は仕方なくお菓子を受け取った。


梨木くんと出会って早二週間。
私、篠崎梨律(しのざきりつ)は早々に疲れていた。
だってこいつ、実はーーーー

「ねー結友くん、今度一緒に遊ばない?」
「えーその子より私の方がよくない?」
「、、、遊ばないし興味無い」


超絶モテモテ男子なのだ。
、、、なんだこの有様は。
やたらと女子にモテやがる。
しかもON・OFFの差が激しい。

「なんで塩対応なの〜!!んもう、そうゆう所も好き、、、♡」
「ほんっと結友くん眼福だわぁ♡」
「触んないでよ」

(、、、、、)

なんでこいつ塩なんだ???
私にはいつもおねぇ口調で喋りかけてくるくせに、、、
もしかして苦手なタイプとか?
それともただ私が喋りかけやすい地味な女だからか?
いやそんなことはどうでもいい。
とにかく、こいつの隣っていうのがとても嫌なのだ!!
女共はわーわーうるさいし、梨木くんの周りを群がるので読書に集中できやしない。
あー誰かこの席変わってくんないかなぁ!!!!