わたしは鍵を開けて、家の中に入った。
「沙織。遅かったわね」
入ると、お母さんが玄関に立っていたものだから、思わずわたしは1歩後ずさった。
「そんなに遅かったかなぁ」
わたしは、自分の頭をかいた。
「遅かったかなぁって……。時計、見てごらんなさい」
お母さんが呆れ顔で、掛け時計を指差した。
「あっ……」
思わず、わたしは声をあげた。思っていたよりも5分以上遅い。
いつもより、15分も遅い。
「ね、結構遅いでしょう? お母さん心配したんだから」
「ごめん、お母さん」
「まぁ、いいわ。でも、これから遅くなる時は、ちゃんと連絡してね?」
「うん、分かった!」
わたしは、そう言ってから自分の部屋へと駆けて行った。



