月夜でキミは

「こんばんは。境さん。」

............

空いた口が塞がらないというのは、こういう事のことを言うのだろうか。

「えっと...椎名君って何者?」

1番知りたかったことを声に絞り出して聞いてみる。

「俺?まぁ、一言で言うなら、吸血鬼だね。」

キュウケツキ。

「ほら、境さんも早く行くよ。」

「行くって、まさか。」

「吸血界だよ。」

キュウケツカイ。

「..........いやいやいや!そもそも、何で私が!?なんの為に!?どうやって?!」

「時間がないんだ。」

椎名君の深い瞳にじっと見つめられて、思わず言葉を飲み込む。

「15分にはあっちの世界に付かないと。質問は、それからだ。さぁ。こっちに早く来て。」

言われるがままに椎名君の方へと足をすすめる。

「ちょっと、慣れるまで怖いかも。
でも、境さんのことは絶対に俺が守るから。」

あの綺麗な瞳にもう一度見つめられて胸の鼓動がまた早くなる。