その日から数日が経ったある日。私は、涼也に呼び出されて校舎裏に来ていた。

私は、ドキドキするフリをして彼を見つめて「は、話って何?」と問いかけた。

「……実は、俺…お前のことが好きなんだ」

涼也は、顔を赤くしてそう言った。私は「え…?」と顔を赤くするフリをする。

「…俺、昔…彼女が居たんだけどさ。その彼女、遊びでとしか見ていなかった。でも、美愛ちゃんは違う。俺、本気で好きだって感じたんだ…だから、俺と付き合ってくれる?」

「……あ、あのさ。私のどこを好きになったの?私、好きになれるような所なんて無いのに…」

「優しい所かな。この間、いじめられた時に俺を助けてくれたでしょ?あれ、めっちゃ嬉しかったんだよね。他にも色々ある…」

私は、涼也に「そっか…ありがとう」と微笑む。

「私、実は…私も涼也のことが好きなんだよね。何て言うのかな…何でか分からないけど、守りたくなってくるんだ」

私が嘘をつき、精一杯の笑顔を見せると彼は「…て、ことは…」と嬉しそうに笑った。

……こいつ、本当にバカだ。嘘のない言葉だと思っている。だから、人間って面白い。さぁ、早くこいつの傷ついた顔が見たいものだ。

「…涼也、これからよろしくね」

私は、涼也みたいに嬉しそうに笑った。