––私とおにいは、月華と花奏として街に出ていた。
夏休みだけあって、人は普段よりも多いが、路地裏はひっそりと静まり返っていた。


そんな中––

『............やっぱこんな時間からいねぇか。
............ん? 花奏、あれ。』


奏「ん?ああ、白蘭の奴............か?」


『いや、そうなんだが、その後ろ。............!
チッ!行くぞ!!』


あれは間違いない。そう確信し走り出す。
人気のない裏路地。
そこにいた男の手には、“紅いリストバンド”。


音を立てずにその男に背後から近寄る。