全力で拳を振るった。
ここからの記憶は、ない。







––––––––『ハァ、ハァ』


震える足で、かろうじて立ち上がる。
きっと今私の足は生まれたての子鹿より震えている。


残るは橋本と、私だけ。
気づけばそうなっていた。


亜蓮や幹部のみんなも、傷だらけで倒れたまま。
未だおにい達からも連絡はない。


『橋本、後はお前だけだ。
もう終わりにしよう。心を入れ替えて真っ直ぐに生きてくれ。』