『聞いておりましたわ・・・【息吹(アビ・リクォト)】がないと、貴方の体はその不便な人間の体のまま・・・・ツァルダムも腕が落ちましたのね?たかが一匹の竜如きに・・・・』
『いや・・・・【息吹(アビ・リクォト)】が無くても、この体は捨てられる・・・・あやつさえ居ればな』
『・・・・あやつ?』
不思議そうに小首を傾げたレイノーラに、ゼラキエルは意味深な微笑をして見せた。
アランデューク・・・今しばらく捨て置いてやるわ・・・時が満ちるまでな・・・・
レイノーラにはわかっていた。
彼がこのような微笑みをする時は、一切その真意を口にしない時であることを・・・・
邪眼と呼ばれ、人の心を見透かすことの出来るレイノーラでさえ、魔王と呼ばれるこの青年の心内を読むことはできない。
彼女は、水色のローブを羽織るなだらかな肩を僅かにすくめ、少々不満そうに細めた青玉の両眼で、ゼラキエルの冷淡で端正なその横顔を見やった。
紫に輝く炎の烙印が刻まれた綺麗な額に、黒い髪束がはらりと零れ落ちる。
彼女は、どこかつまらなそうに言うのである。
『わかりましたわ、これ以上何も聞きませぬ・・・・それより、この女、まだ時折ひどく私に抵抗しますのよ?まったく、本当に諦めの悪い女ですこと』
『捨て置け、いずれその女もそなたから消える・・・』
その鮮やかな緑玉の瞳を煌かせて、ゼラキエルは、妻となるはずだった魔性の女性をゆっくりと振り返る。
彼女は、ますます不満そうな表情をすると、彼女のとは対照的に実に愉快そうな表情をしたゼラキエルの顔を見つめすえた。
彼は、その冷酷で鮮やかな緑玉の瞳が、何やら策略でもあるかのように爛と輝いている。
レイノーラは、妖艶な紅の唇で小さく吐息した。
『いや・・・・【息吹(アビ・リクォト)】が無くても、この体は捨てられる・・・・あやつさえ居ればな』
『・・・・あやつ?』
不思議そうに小首を傾げたレイノーラに、ゼラキエルは意味深な微笑をして見せた。
アランデューク・・・今しばらく捨て置いてやるわ・・・時が満ちるまでな・・・・
レイノーラにはわかっていた。
彼がこのような微笑みをする時は、一切その真意を口にしない時であることを・・・・
邪眼と呼ばれ、人の心を見透かすことの出来るレイノーラでさえ、魔王と呼ばれるこの青年の心内を読むことはできない。
彼女は、水色のローブを羽織るなだらかな肩を僅かにすくめ、少々不満そうに細めた青玉の両眼で、ゼラキエルの冷淡で端正なその横顔を見やった。
紫に輝く炎の烙印が刻まれた綺麗な額に、黒い髪束がはらりと零れ落ちる。
彼女は、どこかつまらなそうに言うのである。
『わかりましたわ、これ以上何も聞きませぬ・・・・それより、この女、まだ時折ひどく私に抵抗しますのよ?まったく、本当に諦めの悪い女ですこと』
『捨て置け、いずれその女もそなたから消える・・・』
その鮮やかな緑玉の瞳を煌かせて、ゼラキエルは、妻となるはずだった魔性の女性をゆっくりと振り返る。
彼女は、ますます不満そうな表情をすると、彼女のとは対照的に実に愉快そうな表情をしたゼラキエルの顔を見つめすえた。
彼は、その冷酷で鮮やかな緑玉の瞳が、何やら策略でもあるかのように爛と輝いている。
レイノーラは、妖艶な紅の唇で小さく吐息した。


