「貴方も・・・そんな風に笑うことがあるのですね?」
なにやら的を外したような素っ頓狂なその言葉に、ジェスターは、形の良い眉を思わず眉間に寄せると、横目でまじまじと、何か珍しい動物でも見るような顔をするリーヤティアを見やった。
「おい、お前、俺をなんだと思ってたんだ?俺が笑ったら悪いのか?」
「あら、ちょっと感心しただけではないですか?
どうしてすぐにそう喧嘩腰になるのです?やはり貴方は野蛮です!」
「野蛮で結構・・・・お前のようなじゃじゃ馬に言われたくはないがな」
「なんですって?」
リーヤの綺麗な眉が再び怒りに吊上がった。
この世間知らずでわがままで天真爛漫な姫君は、まだ何も知らないのだ・・・
自分がどんな使命を負ってこのリタ・メタリカの地に生を受けたのか・・・・
後もう少し時が進めば、きっと、彼女も知るのであろう・・・・
何故、自分が【鍵】と呼ばれているのかを・・・・
王宮育ちのこの姫君が、果たしてのその重さに耐えられるのだろうか・・・・?
ふと、そんな事を思って、ジェスターは、相変わらず怒った顔をしているリタ・メタリカの美しき姫君を、その燃え盛る緑の炎のような鮮やかで神秘的な両眼で見やった。
気性の荒い軍馬の手綱を取りながら、紺碧色の艶やかな髪を弾ませている、彼女の気強く秀麗な顔・・・。
ジェスターは何故か、怒れる姫君に小さく微笑って見せたのだった。
「ま、お前なら、なんとかなるかもな」
「何を言っているのです貴方は?」
「別に・・・このまま泣き言を言わずに着いてこれたら、いずれ解るさ」
そう言うと、彼は僅かに騎馬の手綱を引いてその馬頭をカルダタス山脈とは逆の方向、東北の方角へと向けたのだった。
急速に銀楼の道(エルッセル)を外れていくその道筋。
「どこに行くのです!ジェスター!?」
リーヤは、慌てて馬頭を東北へと向けると、彼が翻す鮮やかな朱色の衣を追いかけたのだった。
「言っただろ?ファルマス・シアへ行くと?」
「そこにスターレットが居ると?」
「多分な」
石畳の街道を外れた二頭の騎馬が、ファルマス・シアと言う名の地図に無い地へ向けて荒野を駆け抜けていく。
なにやら的を外したような素っ頓狂なその言葉に、ジェスターは、形の良い眉を思わず眉間に寄せると、横目でまじまじと、何か珍しい動物でも見るような顔をするリーヤティアを見やった。
「おい、お前、俺をなんだと思ってたんだ?俺が笑ったら悪いのか?」
「あら、ちょっと感心しただけではないですか?
どうしてすぐにそう喧嘩腰になるのです?やはり貴方は野蛮です!」
「野蛮で結構・・・・お前のようなじゃじゃ馬に言われたくはないがな」
「なんですって?」
リーヤの綺麗な眉が再び怒りに吊上がった。
この世間知らずでわがままで天真爛漫な姫君は、まだ何も知らないのだ・・・
自分がどんな使命を負ってこのリタ・メタリカの地に生を受けたのか・・・・
後もう少し時が進めば、きっと、彼女も知るのであろう・・・・
何故、自分が【鍵】と呼ばれているのかを・・・・
王宮育ちのこの姫君が、果たしてのその重さに耐えられるのだろうか・・・・?
ふと、そんな事を思って、ジェスターは、相変わらず怒った顔をしているリタ・メタリカの美しき姫君を、その燃え盛る緑の炎のような鮮やかで神秘的な両眼で見やった。
気性の荒い軍馬の手綱を取りながら、紺碧色の艶やかな髪を弾ませている、彼女の気強く秀麗な顔・・・。
ジェスターは何故か、怒れる姫君に小さく微笑って見せたのだった。
「ま、お前なら、なんとかなるかもな」
「何を言っているのです貴方は?」
「別に・・・このまま泣き言を言わずに着いてこれたら、いずれ解るさ」
そう言うと、彼は僅かに騎馬の手綱を引いてその馬頭をカルダタス山脈とは逆の方向、東北の方角へと向けたのだった。
急速に銀楼の道(エルッセル)を外れていくその道筋。
「どこに行くのです!ジェスター!?」
リーヤは、慌てて馬頭を東北へと向けると、彼が翻す鮮やかな朱色の衣を追いかけたのだった。
「言っただろ?ファルマス・シアへ行くと?」
「そこにスターレットが居ると?」
「多分な」
石畳の街道を外れた二頭の騎馬が、ファルマス・シアと言う名の地図に無い地へ向けて荒野を駆け抜けていく。


