「その言葉使いを改めなさい!ジェスター!私はリタ・メタリカの王女ですよ!」
そんな彼女の言葉に、ジェスターは呆れたように広い肩でため息をつくと、その凛々しく端正な顔を実に不愉快そうに歪めたのだった。
「はぁ?馬鹿かお前は?言っただろ、俺にはお前がリタ・メタリカの王女だろうがなんだろうが関係ないと?言葉なんか通じりゃいいんだよ!」
「私は言葉使いを改めなさいと言っているのです!私に向かって馬鹿とはなんですか!?」
リーヤの綺麗な眉がますます吊り上がる。
しかし、ジェスターはそんなことなど全くお構いなしの様子で、ムキになる彼女を、相変わらずの不愉快そうな視線で見やるのだった。
「言葉の通りだよ!嫌だ嫌だ、鼻っぱしらが強いだけの世間知らずな姫君なんて・・・・お前が【鍵】じゃなければ、このまま此処に放り出していくところだ」
「なんなのですその言いようは!?貴方は、それで本当にスターレットの友なのですか!?」
「あぁそうだよ!悪いか?それが嫌なら城へ帰れよ?」
「誰が帰りますか!スターレットに逢うまでは絶対に城になど戻りません!」
城を出て数日、彼との会話は常にこんな調子だ。
全く自分に忠誠を見せない彼は、リーヤにとって正に異質の存在であった。
今の今まで、少なくともこのような無礼な人物に彼女は出会ったことがない。
空の色をそのまま映し出したようなリーヤの紺碧の瞳が、傍らで騎馬を駆るジェスターの横顔をぎろりと睨みつけた。
その時、青く高い空の彼方で、西から渡る風が大きく唸りを上げた。
疾走する騎馬の右舷に、霞むように見えてくる、連なる山々の蒼い影。
ジェスターの燃えるような緑玉の両眼が、一瞬、何かに気付いたように見開かれた。
風の精霊が伝えてくる、実に懐かしい人物の、鋭利だが、その中にどこかしらの穏やかさを含む沈着な気配。
それと同じ気配を持つ人物など、彼の記憶の中にはたった一人しかいない。
それは、雷(いかずち)の気質と言われ、ロータスやアーシェの血筋でもないのに、補助呪文も無しに魔法を使いこなし、『竜狩人(ドラグン・モルデ)』の強力な呪文さえ扱う事のできる人物であるはず・・・・・。
そんな彼女の言葉に、ジェスターは呆れたように広い肩でため息をつくと、その凛々しく端正な顔を実に不愉快そうに歪めたのだった。
「はぁ?馬鹿かお前は?言っただろ、俺にはお前がリタ・メタリカの王女だろうがなんだろうが関係ないと?言葉なんか通じりゃいいんだよ!」
「私は言葉使いを改めなさいと言っているのです!私に向かって馬鹿とはなんですか!?」
リーヤの綺麗な眉がますます吊り上がる。
しかし、ジェスターはそんなことなど全くお構いなしの様子で、ムキになる彼女を、相変わらずの不愉快そうな視線で見やるのだった。
「言葉の通りだよ!嫌だ嫌だ、鼻っぱしらが強いだけの世間知らずな姫君なんて・・・・お前が【鍵】じゃなければ、このまま此処に放り出していくところだ」
「なんなのですその言いようは!?貴方は、それで本当にスターレットの友なのですか!?」
「あぁそうだよ!悪いか?それが嫌なら城へ帰れよ?」
「誰が帰りますか!スターレットに逢うまでは絶対に城になど戻りません!」
城を出て数日、彼との会話は常にこんな調子だ。
全く自分に忠誠を見せない彼は、リーヤにとって正に異質の存在であった。
今の今まで、少なくともこのような無礼な人物に彼女は出会ったことがない。
空の色をそのまま映し出したようなリーヤの紺碧の瞳が、傍らで騎馬を駆るジェスターの横顔をぎろりと睨みつけた。
その時、青く高い空の彼方で、西から渡る風が大きく唸りを上げた。
疾走する騎馬の右舷に、霞むように見えてくる、連なる山々の蒼い影。
ジェスターの燃えるような緑玉の両眼が、一瞬、何かに気付いたように見開かれた。
風の精霊が伝えてくる、実に懐かしい人物の、鋭利だが、その中にどこかしらの穏やかさを含む沈着な気配。
それと同じ気配を持つ人物など、彼の記憶の中にはたった一人しかいない。
それは、雷(いかずち)の気質と言われ、ロータスやアーシェの血筋でもないのに、補助呪文も無しに魔法を使いこなし、『竜狩人(ドラグン・モルデ)』の強力な呪文さえ扱う事のできる人物であるはず・・・・・。


